こんにちはhuoです
今回は、プラスミドについてわかりやすく解説していきたいと思います。
プラスミドは、学生実験などでもよく利用されています。
プラスミドを電気泳動したとき現れるバンドが異なってきます。
本来であればライゲーションしたプラスミドしか現れないはずなのに
他の大きさのバンドが複数現れます。
そんなプラスミドの特性についてわかりやすく解説していきます。
プラスミドとは
大腸菌は、環状のDNAを持っています。
プラスミドは、その環状のDNAとは別の独立した二本鎖の環状DNAのことです。
独立した二本鎖の環状DNAには、3つのタイプがあるのでこの記事で紹介していきます。
プラスミドのスクリーニングについて
プラスミドは、大腸菌が本来持たない性質をもたせるときに活躍します。
プラスミドは、目的の特性を持つインサートDNAとライゲーションするときの
ベクターDNAとして働いています。
ベクターDNAは、インサートDNAと結合するためにマルチクローニングサイトという
制限酵素が働いて鎖を切断してくれる場所を持っています。
鎖を切断されたところにインサートDNAがきれいに入ることで2本鎖プラスミドができます。
ベクターDNAとしてプラスミドは、大腸菌でもしっかりと
複製することができる複製起点を持っているため大腸菌内でプラスミドが増幅することが可能です。
目的のプラスミドだけがほしいためベクターDNAには、薬剤耐性をもたせています。
例えばカナマイシンに対する耐性を持った場合
培地に植菌して培養するとカナマイシン耐性を持つプラスミドだけが増殖します。
他の大腸菌などは、カナマイシン耐性がないため培地上で生きていくことができないため
効率よく目的のプラスミドをスクリーニングすることができます。
カナマイシンは、タンパク質合成を阻害する薬剤です。そのためカナマイシン入りの培地ですぐに培養するのではなく前培養(違う場所で20分から60分培養)してからカナマイシン入りの培地に植菌します。
プラスミドは3つ種類がある
プラスミドは、細胞外ではスーパーコイル(閉環状DNA)、直鎖状DNA、
開環状DNAの3つのタイプがあります。
2本鎖環状DNAが共有結合で環状になった状態をスーパーコイルという
大腸菌の細胞内では、ほとんどがスーパーコイルを形成しており
負のらせん構造を状態で存在している。
開環状DNAは、完全な環状構造をとっておらず
ニックという隙間が一部ある状態のプラスミドのことです。
直鎖状DNAは、2本鎖が切断されて直鎖状になったプラスミドです。
プラスミドと電気泳動の関係性
プラスミドには、スーパーコイル、直鎖状DNA、開環状DNAの3つ形状をとって存在しています。
電気泳動をかけると目的のプラスミドのバンド以外にも他のバンドが現ることがあります。
その現れるバンドがどんなプラスミドなのかについて解説していきます。
電気泳動は、分子量の大きさと形状の違いによって分離します。
プラスミド自体は、分子量が同じですが形状が違うため3つバンド現れます。
3つのバンドが現れている場合は、目的のプラスミドのバンドは3つ目のバンドに現れています。
プラスミドの中で一番安定しているのが3つ目に現れるスーパーコイルです。
スーパーコイルは、安定しており他のプラスミドよりキュッと縮まった形をしているため
電気泳動の網目をすり抜け後ろの方にバンドが現れます。
最初に現れるバンドは、開環状DNAが現れます。
開環状DNAは、ニックという隙間があるためプラスミドが少し開いた感じになるので
分子構造が他のプラスミドより大きくなるため電気泳動の最初の方で引っかかり
バンドが出現します。
真ん中のバンドは、直鎖状DNAが現れます。
直鎖状DNAは、完全に2本鎖が切断されて直鎖状のDNAとなった。
開環状DNAが最初に現れ、直鎖状DNAが真ん中、スーパーコイルが最後に現れる!
プラスミドなどについてわかりやすく解説してくれている
遺伝子工学という本があるので詳しく知りたい方におすすめです。
プラスミドまとめ
今回は、プラスミドについて解説していきました。
プラスミドは、スーパーコイル、直鎖状DNA、開環状DNAの3つが存在します。
電気泳動やクローリングなどで利用することが多いプラスミドの
特性について知っておくことで実験で何がおこっているかを理解して
実験を行うことができるのでぜひ勉強してみてください。