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ブロードキャストとマルチキャストの違いについてネットワークエンジニアがわかりやすく解説

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ネットワークエンジニアのフオです。

ブロードキャストとマルチキャストの違いについて紹介していきます。

間違っていることがあればぜひコメントや問い合わせで教えていただきたいです。

ブロードキャストとマルチキャストの違いについて知りたい人

ブロードキャストについて知りたい

マルチキャストについて知りたい人

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目次

ブロードキャストマルチキャストの違いについて

ブロードキャストとマルチキャストは、ネットワークでデータを複数の端末に送る方法です。

大きな違いは「誰に届くか」にあります。

ネットワーク内の全端末に一斉通知したい → ブロードキャスト

特定のグループだけに効率よく届けたい → マルチキャスト

ユニキャスト ブロードキャスト マルチキャスト エニーキャスト
宛先 1台 全員 グループ 最寄りの1台
ルーター越え ✓(PIM必要)
帯域効率 低(台数分の送信) 低(全員に届く)
代表例 HTTP, SSH ARP, DHCP 動画配信, OSPF DNS, CDN

ブロードキャストとは

ブロードキャストは、ネットワーク内の全員に無差別に送信します。

ブロードキャストとは、同じネットワーク内にいる全員にデータを送る仕組みです。

たとえば、誰かが部屋に入ってきて「○○さんいますか?」と大声で叫ぶようなイメージです。

部屋にいる全員が声を聞くことになりますが、用があるのは○○さんだけというケースです。

受け取りたくない端末にも届いてしまうのが特徴です(例:LANの全端末に送るARPリクエスト)。

ブロードキャストは 255.255.255.255 という特殊な1つのアドレスしか存在しません

ブロードキャストが使われる場面

  • ARP(アープ) : 「IPアドレスが192.168.1.1の人、MACアドレスを教えてください」と全員に問い合わせる
  • DHCP : 端末がネットワークに参加したとき、「IPアドレスをください!」と全員に呼びかける

ブロードキャストの問題点

  • ネットワーク内の全端末が処理しなければならない(不要な端末にも届く)
  • ルーターを越えることができない(同じLANの中だけにしか届かない)
  • 端末数が増えるほど、ネットワークの負荷が上がる

マルチキャストとは

マルチキャストとは、あらかじめ「受け取りたい」と登録した端末だけにデータを届ける仕組みです。

先ほどの例えで言うと、事前に「○○の連絡が来たら教えてほしい」と手を挙げた人にだけ通知するイメージです。

マルチキャストが使われる場面

  • 動画のライブ配信・IPTV : 視聴しているユーザーだけにデータを送る
  • OSPFなどのルーティングプロトコル : ルーター同士が経路情報を交換する

マルチキャストの利点

  • 必要な端末にだけ届くため、帯域(通信量)を節約できる
  • ルーターを越えて、複数のネットワークを跨いで届けられる

IPアドレスの違いについて

「どうやって全員・グループに届けるのか」は、IPアドレスの設計で決まっています。

ブロードキャストのアドレス

ブロードキャストは 255.255.255.255 という特殊なアドレス1つしかありません。このアドレスに送信すると、同じネットワーク内の全端末に届きます。

マルチキャストのアドレス

マルチキャストは 224.0.0.0239.255.255.255 の範囲(クラスDアドレス)が割り当てられており、約2.7億個のグループアドレスを持てます。用途ごとにグループを分けられるのが大きな強みです。

よく使われるマルチキャストアドレスの例:

  • 224.0.0.1 : ネットワーク内の全端末(All Hosts)
  • 224.0.0.2 : ネットワーク内の全ルーター(All Routers)
  • 239.x.x.x : 組織内限定のグループ(管理スコープ)

マルチキャストの仕組み:IGMPとは

マルチキャストの核心は、「誰がどのグループに参加しているかをルーターが把握すること」です。これを担うプロトコルが IGMP(Internet Group Management Protocol) です。

IGMPはシンプルな3つのメッセージでやり取りします。

① Membership Query(ルーター → 端末) ルーターが定期的に「グループに参加している端末はいますか?」と問い合わせます。

② Membership Report(端末 → ルーター) 参加したい端末が「このグループに参加します」とルーターに報告します。

③ Leave Group(端末 → ルーター) グループを抜けたいときに「離脱します」と通知します。

IGMPにはバージョンがあり、現在主流の IGMPv3 では「特定の送信者からのデータだけ受け取る」という細かい制御もできます。

よく躓くポイント

IGMPは端末とルーターの間だけで動くプロトコルです。ルーター同士がマルチキャストの経路を決めるのは「PIM」という別のプロトコルの役割なので、混同しないようにしましょう。


マルチキャストの仕組のPIMとは

PIM(Protocol Independent Multicast) は、マルチキャストのデータをルーター同士がどの経路で転送するかを決めるプロトコルです。

IGMPが「端末↔ルーター」の会話なら、PIMは「ルーター↔ルーター」の会話です。

PIMには2つのモードがあります。

PIM-SM(Sparse Mode) 参加端末が少ない・広範囲に分散している場合に使います。「ランデブーポイント(RP)」という集約ルーターを経由して配信ツリーを構築します。インターネット上の動画配信に使われます。

PIM-DM(Dense Mode) 参加端末が多い・狭い範囲に集中している場合に使います。最初に全ルーターに流してから、不要な経路を刈り取っていく方式です。社内LANなどに使われます。

名前に「プロトコル非依存」とある通り、OSPFやBGPなどどのユニキャストルーティングプロトコルとも組み合わせて使えるのが特徴です。

IGMP PIM
動く場所 端末↔ルーター間 ルーター↔ルーター間
役割 グループ参加・離脱の管理 マルチキャスト経路の制御
「この動画を受け取りたい」 「どの経路で届けるか」

IGMPで「誰が受け取るか」を把握し、PIMで「どう届けるか」を決める、という2段構えでマルチキャストは成り立っています。

まとめ

今回はブロードキャストとマルチキャストの違いについて紹介していきました。

ブロードキャストは「全員に届ける」、マルチキャストは「受け取りたい人だけに届ける」仕組みです。

宛先を選べるかどうか、この一点が最大の違いです。

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